保育園の園長が採用面接で質問すること6選 転職希望者は必読!

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あくあ園長
あくあ園長

こんにちは! 保育士・元保育園園長のあくあ先生です!

 保育士の転職は、待遇の良い求人が限られているため、多くの応募者が集まり、競争が激しくなりやすいのが現実です。実際に私も転職活動を経験しましたが、良い求人を見つけて応募するも、何度も不採用を繰り返しました。

 この記事を読んでいるあなたも、同じ状況に陥っているのではないでしょうか?

 転職活動をしていた時期は、私は5年以上も現場で働いていましたので、スキルや経験には問題がないはずでした。それでも、なぜ不採用になるのか。突き詰めて考えたところ、原因は“面接でどういう質問がくるかを、きちんとイメージして練習できているかどうか”でした。

 そう、つまり重要なことは「面接対策」です。面接ではどんな質問がされるか? 質問に対し、自分はどう答えたら採用に繋がりやすいか? 非常に初歩的ですが、初歩的だからこそ実は、意外と“これを突き詰めて考え抜ける人は少ない”のです。

 ゆえに私自身、面接対策をしっかりした途端、ほかの多くの応募者(あまり対策をしていない人たち)よりも格段に差がついて、採用確率がググっと上がったのです(実際に内定がいくつかでました)。

 この記事では、実際に保育士として転職活動に励み、転職後は園長にまでなった私・あくあが、「採用面接で心がけたこと」、および「自分がよく聞いていた6つの質問と、その具体的な対策方法」について詳しく解説。しっかりと読んで頂ければ、役に立つこと請け合いです!


●はじめに:そもそも、なぜ面接対策が必要なのか?

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 大きく分けると、理由は2つあります。

①あなた自身をしっかり見せるチャンス: 面接は、履歴書だけじゃ伝わらない、あなたの人柄や考え方をちゃんと見てもらえる場所です。保育士の仕事では、心のこもった対応がすごく大事。だから、その「心」を面接でしっかり見てもらいましょう。

②他の人と差をつける場面: 書類選考を通過したからには、自分と同じくらい資格や経験がある人たちも面接に進んでいるということ。その中で「この人!」と選んでもらうためには、面接でどう話すか、どう見られるかを考えることが大事です。

 特に重要なのは②です。同僚や保育業界の仲間に話を聞いてわかったのですが、意外と、ちゃんと面接の受け答えをシミュレーションしている人が少なかった! ということは、面接対策できているか否かで、とっても差がつきやすいのです。

 だから、私自身も面接対策に力を入れた瞬間に、内定が出たんだと合点がいきました。

 ということで、ここから先に、私自身が転職時に対策していた質問と、保育園の園長だったときによくしていた質問を書いていきます。つまりこの記事、ゲームでいうところの攻略本です……!

 読者の皆様が、より条件のいい保育園に採用されてほしいため、有料でもおかしくない内容を公開していきますので、ぜひとも最後まで読んでいただけますと幸いです。


質問1: なんで保育士になったの?

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 この質問は、あなたが保育士になった背景や動機を探るものです。人間性や価値観がわかるため、当たり前ですが、真剣に答えることが求められます。

・対策

 自分が保育士になったエピソードを明確にする: あなたが保育士として働くことを決意した瞬間や、その背景にあるエピソードを用意します。

 生い立ちや信念、目標などを自分の言葉で簡潔に述べる: 独自の信念や長期目標なども織り交ぜることで、多角的に自分自身を表現します。

・好印象な答えとその理由(あなた自身のエピソードと組み合わせてみてください)

例1
 答え:
「小さい頃から家族でボランティア活動に参加していて、特に子どもたちと遊ぶのが楽しかったです。その経験がきっかけで、子どもたちが安心して成長できる環境を提供したいと考え、数ある職業のなかから保育士を目指しました」

 解説: この答えでは、早い時期から他人を思いやる活動に参加していたことが強調されています。また、自身の経験を通して得た価値観や目標が明確であり、人間性がしっかり伝わってきます。

例2
 答え:
 「大学で心理学を専攻していたときに、子どもの発達に影響を与える重要な要素について学びました。その知識を実際の現場で生かし、子どもたちの成長を支えたいと強く感じ、数ある職業のなかから保育士を目指しました」

 解説: 専門的な知識とその知識を活かしたいという強い動機が表れています。これにより、ただ仕事をするだけでなく、その背後にある理由や目標がしっかりとしていることが伝わります。

例3
 答え:
「私は元々アートが好きで、子どもたちが自分自身を表現する力を身につけることの重要性を感じています。そのため、創造的な教育手法を取り入れた保育をしていきたいと思い、数ある職業のなかから保育士を目指しました」

 解説: 個々の趣味や特技が保育にどう活かせるかを考えている点が魅力的です。また、自分が提供できる独自の価値やスキルが明確にされているため、単なる職業としてではなく、自身のライフワークとして考えていることが伝わります。

質問2: 長期欠勤はある?

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 この質問は主に健康状態と信頼性に焦点を当てたものです。長期欠勤があるかどうかによって、あなたの勤務に対する信頼性が評価される場合があります。

・対策

 長期欠勤が無い場合は、それを明確にし健康状態をアピール: 無いと明言し、さらにそれを裏付ける活動や習慣を話すことで、健康状態を強調できます。

 長期欠勤がある場合は、その理由と今後の対策を前向きに説明: 理由とその後どのような対策をしているのかを話すことで、改善への意志を見せることが重要です。

・好印象な答えとその理由

例1
 答え:
 「長期欠勤の経験はありません。週に3回は運動をしていて、年間で風邪をひくこともほとんどありません」

 解説: 長期欠勤がないと明確に答えている上で、その健康状態を保つために何をしているのかもアピールしています。これにより、健康で信頼性が高いという印象を与えます。

例2
 答え:
 「以前、長期欠勤をしたことがありますが、それは家庭の緊急事態によるものでした。その後、家庭と仕事のバランスを改善するために時間管理スキルを学び、今は問題ありません」

 解説: 無いわけではないが、その理由と対策をしっかりと話している点が良いです。そのため、問題が発生した場合にも前向きに解決する能力があると伝えられます。

例3
 答え: 「特別な理由で長期欠勤した経験はありませんが、継続的に健康診断を受けて、何らかの問題が発生する前に予防しています」

 解説: 長期欠勤がないことを明言し、さらにその背後にある健康管理の努力を強調しています。このような予防的な行動は、計画性と自己管理能力があるという印象を与えます。

質問3: なんでウチの保育園を選んだの?

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 この質問は、あなたがその保育園を選んだ具体的な理由を知りたいというものです。これにより、あなたの研究度や熱意、適合性が評価されます。

・対策

 保育園の特色や方針、プログラムなどに言及: 保育園のウェブサイトやパンフレット、事前の見学などで得た情報を具体的に出すと良い。

・好印象な答えとその理由

例1: 地域社会との関わり
 答え:
「私はあなた方の保育園が地域社会と密接に関わっている点に惹かれました。特に、地域のお年寄りとの交流イベントが印象的で、ほかの園にはない特色だと感じました」

 解説: この答えは、保育園が地域社会とどのように関わっているのかに注目しているという点で好印象です。また、特定のイベントを挙げることで、自分が具体的に何に興味を持っているのかが伝わります。これは、単に「地域社会と関わっている」と言うよりも遥かに強力なメッセージとなります。

例2: 創造性を重視する環境
 答え:
「ウェブサイトに載っていた子どもたちのアート作品が印象的で、創造性を重視する環境で働きたいと感じました」

 解説: この答えでは、保育園のウェブサイトをしっかりと研究している点が評価されます。さらに、「創造性を重視する」と自分の価値観を明示することで、その保育園が提供する環境と自分が望む環境が一致していることをアピールしています。

例3: 先生と子どもたちの関係性
 答え:
「先日の見学で先生方が子どもたち一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取っていたことが、この保育園で働きたいと強く感じました」

 解説: 事前に保育園を見学する行動力と、その際に何に注目したのかを具体的に述べることで、真剣にこの転職を考えているという姿勢が伝わります。このような答えは、あなたが単なる求職者ではなく、この保育園で何をしたいのか、そしてそれがなぜこの保育園で可能なのかをしっかりと考えていると示します。

質問4: どんな保育がしたいの?

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 この質問では、あなたの保育に対するビジョンや理念が問われます。

・対策

 自分の理念と保育園の方針がどう合致しているかを明示: 具体的なエピソードやビジョンを交えて語ると良い。

・好印象な答えとその理由

例1: 理念と一致
 答え:「私は“自立心を育む保育”が重要だと考えており、それが貴園の理念とも一致していると感じています。具体的には、子どもたちに小さな責任を任せることで、自分で考え行動する力をつけさせたいです」

 解説: この答えでは、ただ理念が合致していると言うだけでなく、その理念をどのように具体的な保育活動に落とし込むかまで考えている点が高く評価されます。

例2: 行事
 答え:
「行事のアウトドア活動を通じて子どもたちの五感を刺激したいです。実際に貴園でも月に一度の自然体験活動があると聞き、それが魅力的でした」

 解説: 子どもたちの五感を刺激するという具体的な目的と、それが保育園のプログラムとどう連動するかを示しています。また、保育園の特定のプログラムを挙げることで、具体的な研究をした証拠となります。

例3: グループ活動と社会性に魅力
 答え:
「子どもたちが社会性を身につける場として、グループ活動を多く取り入れたいです。貴園の“友だちとの関わり重視”の方針に非常に共感します。具体的には、チームプロジェクトを通じて協調性やリーダーシップを育む活動を提案したいと考えています」

 解説: この答えでは、単に「グループ活動がいい」と言うよりも、具体的な活動(チームプロジェクト)を通じて何を教えたいのか(協調性やリーダーシップ)を明示しています。これが、貴園の方針とどうリンクするのかも明らかにしています。

質問5: 長所と短所教えて!

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 自己評価と自己啓発の程度を測る基本中の基本の質問です。しっかりと自分のことを分析できているか? その深さを問い、一緒に働けるかどうかを園長として判断します。

・対策

 長所を複数挙げ、それをアピール
 短所も明確にし、改善策を述べる

・好印象な答えとその理由

例1: コミュニケーション能力
 答え:
 「長所はコミュニケーション能力です。人々との良好な関係を築くことで、保育園全体の雰囲気を良くする力があります。短所は、時に仕事に対する情熱が強すぎて、無理をしてしまうことです」

解説: 長所のコミュニケーション能力は、保育の現場で非常に重要です。この長所は、子どもたちや保護者、そして同僚との良好な関係性の形成に直結します。短所についても、その背後には「情熱」があると明言しているため、改善の余地があると捉えられます。

例2: 組織力
 答え:
 「長所は計画性と組織力です。事前にしっかりと準備をすることで、スムーズな保育活動が可能です。短所は、細部にこだわりすぎる傾向があります」

 解説: この答えでは、計画性という長所を持っていることで、仕事の効率が向上するとアピールしています。短所も、その理由とともに明確にし、それが何に影響を与えるのかを理解していることを示しています。

例3: 柔軟性
 答え:
 「長所は柔軟性です。多様な状況や突発的な問題にも冷静に対応できます。短所は、時には自分自身のケアを疎かにすることがあります」

 解説: 柔軟性は、日々変わる保育の現場で必要なスキルです。短所についても、それがどのように自分自身や他者に影響を与えるのか、そしてどう改善するべきかを熟考していることが伝わります。

質問6: 転職・退職の理由は?

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 前職での経験と今後の意志を確認する質問です。正直に答えるなら、ほとんどが「給料や人間関係が不満だったから」とかになると思いますが、そうではなく、もっと仕事に取り組む姿勢としての回答をしてください。

・対策

 向上心のため転職を決意した、という姿勢を強調する

・好印象な答えとその理由

例1: スキルセットの拡充
 答え:
 「前職では多くの経験を積むことができましたが、更なるスキルセットの拡充を目指して転職を考えました。」

 解説: この答えは、前職に不満があったわけではなく、自己成長とスキルの拡充を望んでいるという前向きな理由を強調しています。

例2: 価値観の不一致
 答え:
「前職との価値観の不一致に気付いたため、より自分の信念に合った場所で働きたいと考え、転職を決意しました」

 解説: 価値観の不一致は個々人によるものなので、このような答えは一般的には受け入れられやすいです。その上で、何を大事にしたいのか(信念や価値観)を明確にしている点が好印象です。

例3: キャリアパスの模索
 答え:
「前職での経験を通じて、自分がどのようなキャリアパスを歩みたいのか明確になり、それがこの保育園で実現可能だと考えました」

 解説: こちらの答えは、前職での学び(自分のキャリアパスの模索)と、それが今回の転職先でどのように活かされるのかを繋げています。

番外編:ぶっちゃけ、重要なのは“笑顔”と“ハキハキした話し方”

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 保育士は、子どもたちやその親、そして同僚とのコミュニケーションが非常に重要です。そのため、面接での笑顔と明るい話し方は、その人が仕事でポジティブなコミュニケーションが取れるかを示すバロメーターとなります。また、明るく、はきはきとした話し方は、ストレスの多い環境でも冷静に対処できる能力を示唆する場合があります。

 笑顔とハキハキとした話し方。これができるかどうかで、人間関係の構築や緊急時の対応能力まで評価されます。それだけでなく、面接官自身があなたに好感を持つ可能性も高まります。自分の実体験から言うと、「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえると採用されやすくなった、そう思えた人は採用したくなったのです。

 なのでこの点を意識して、面接対策に織り込むことは非常に有用!


まとめ

 保育士の転職面接では多くの質問が投げかけられますが、それぞれには独自の意図と目的があります。これらの質問に対する答えと、その背後にある理由をしっかりと準備することで、面接官に自分を理解してもらい、採用確率を高めることが可能です。

 あなたが持つ独自のスキルや経験は、必ずどこかで活かされるはず。不安や疑問に思うことがあれば、それは成長と自己理解への第一歩です。この転職活動があなた自身の素晴らしい未来への扉となることを、心より応援しています。

 ※この記事は、あくあ先生の実体験に基づいていますが、それが全ての保育士の転職活動に当てはまるわけではありません。記載されているアドバイスや情報に従って行動したとしても、その結果については一切の責任を負いかねますので、ご自身の判断と責任において転職活動を行ってください。


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