慣らし保育の日数は?登園時に泣いたらどうする? 疑問に元園長が回答

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あくあ園長
あくあ園長

こんにちは! 保育士・元園長の”あくあ”です。

 保育園生活がスタートするとき、最初に迎えるのが「慣らし保育」ですよね。

 「慣らし保育ってどのくらいの日数が必要?」「子どもが登園時に泣いちゃったらどうしよう?」「体調を崩しやすいの?」などなど、気になることがたくさんあると思います。

 そんな慣らし保育の疑問に、保育園の元園長が回答・解説します。

※最近は子どもの人権の観点から、「慣れ保育」と名前を変え始めています。(2024年3月24日追記)

【慣らし保育の主なスケジュール】

 慣らし保育って、実はお子さんやお父さんお母さんの仕事復帰のタイミングによって、その進め方が変わってきます。大事なのは、お子さんが無理なく保育園に慣れていけるように、保護者の方と保育士さんがしっかり相談しながら計画を立てること。一般的な慣らし保育の流れをご紹介しますね。

 最初はお子さんに負担をかけないよう、短時間からスタート。徐々に保育園で過ごす時間を延ばしていきます。具体的にはこんな感じで進めます。

  1. まずはお父さんお母さんと一緒に保育園で遊びます。
  2. 次に、1時間だけお父さんお母さんと離れて過ごします。
  3. 徐々に時間を延ばし、給食を食べるまで、午睡明けまで、おやつ後まで…と段階を踏んでいきます。
  4. 最終的には、仕事復帰後に預ける時間帯で預けられるようになります。

【慣らし保育の日数について】

 慣らし保育の日数は、だいたい2週間から1ヶ月が目安。順調にいけば2週間で慣らし保育が終わり、希望の時間まで預けられるようになります。

 でも、子どもの状況や、お父さんお母さんの仕事の状況によって、この期間は前後します。もし、仕事復帰の日が決まっている場合は、それに合わせてじっくり時間をかけて慣らしていくのがベストです。

 仕事が忙しくてなかなか時間が取れない方もいるかもしれませんが、できるだけお子さんにとって無理のないペースで進めていきたいですよね。慣らし保育を急ぐと、お子さんが体調を崩してしまうことも。慣らし保育の期間は“長めになる”と覚悟しておいたほうがいいと思います。

【子どもが保育園に行くときに泣いちゃう…そんなときはどうする?】

 保育園に慣れるまで、お子さんがいっぱいいっぱいになるのはよくあること。「パパママと離れたくないよー!」って泣き出すことも。そんなとき、保護者の皆様にしてほしい対応をお話しします。

・笑顔でハキハキとお別れしましょう

 お子さんとのお別れの瞬間、不安でいっぱいだとしても、明るく「行ってきます!」って伝えることが大切です。親御さんの不安は、お子さんにダイレクトに伝わっちゃいます。だから、ちょっと勇気を出して、お別れの時だけは笑顔を見せましょう。お子さんも「あ、パパママ笑ってる。ここは怖い場所じゃないんだな」と思ってくれて、安心して過ごせるようになります。

 もちろん、親御さんが不安に感じるのは当然です。そんなときは、その気持ちを保育士さんに伝えておきましょう。でも、お子さんとバイバイするときは、その不安をちょっとだけ置いて、笑顔を心がけてみてくださいね。

 また、お子さんがご機嫌なうちに、こっそりいなくなるのはNG。いきなり親がいなくなると、お子さんはさらに不安を感じてしまいます。必ず、お子さんに「行ってきます!」と伝えてから保育園に預けましょう。

・「〇〇したらお迎えにくるね」と伝えてあげましょう

 保育園にお子さんを預ける時は、「ご飯食べたらお迎えにくるね」というように、お迎えに来るタイミングを伝えてあげるのもよいです。これがあるだけで、お子さんはずっと安心できます。

 初めは保育園の生活に慣れていないので、やっぱり不安になる子も多いんです。「おやつ食べて、遊んで、ご飯食べて、ねんねしたらお迎えにくるね」と1日の流れを一緒に確認するのもオススメです。

・保育士さんと仲良くなりましょう

 送迎の時に保育士さんと楽しくお話しすることも、お子さんが安心するポイントの一つです。保育士さんと親御さんが自然に笑顔で話している姿を見ると、お子さんも「この人たちなら大丈夫かな」と感じます。

 年度始めは、保育士さんも緊張しているもの。特に若い保育士さんならなおさらです。だから、保護者の皆様に話しかけてもらうのは、保育士にとっても嬉しいことだったりします。

【慣らし保育から帰ったらどんな風に過ごす?】

 新しい環境で過ごした後は、お子さんも心身ともにぐったりしています。では、家に帰った後はどうやって過ごせばいいのでしょうか? ここからは、帰宅後の過ごし方について、子どものケアを交えてお話しします。

・お子さんの気持ちにしっかり寄り添って

 家に帰ったら、まずはお子さんの気持ちに寄り添ってあげましょう。おしゃべりができるお子さんなら、保育園での話を聞いてみてください。

 泣いて疲れ切っている時は、ゆっくりお家で休んで、たくさんのスキンシップをとってあげてくださいね。お子さんが動いてストレスを解消できるタイプなら、帰り道に公園で少し遊んで気分転換するのもいいですよ。

・遊びに行くのは控えめにしましょう

 慣らし保育中は、お家にいる時間が増えますが、無理して遊びに行くのは避けましょう。元気そうに見えても、お子さんは意外と疲れていますから、無理しないことが重要です。

 お子さんが自分で疲れをコントロールできない分、親御さんが上手に調整してあげる必要があります。もし、外出するなら、お子さんの様子を見ながら短時間で済ませるようにしましょう。

・夜は早く寝かせましょう、夜泣きするかもしれません

 次の日も保育園に行くことを考えると、早めに寝かせることが大切です。新しい環境で過ごした後は、夜泣きをすることもあるので、親御さんもできれば早めに休むと良いですよ。しっかり寝ることで、お子さんも心身ともにリフレッシュできます。

 睡眠不足は感情のコントロールが難しくなり、保育園に慣れるのも時間がかかるかもしれません。だから、夜はゆっくり休んで、たっぷり睡眠をとりましょう。

・手洗いだけじゃなくて、足も洗う&着ていた服を脱がせると◎

 子どもが体調不良になりにくくなる裏技。帰ってきたらすぐに、手と、足(くるぶしくらいまで)も洗いましょう。そして着ていた服を脱がせて、着替えさせましょう。

 保育園に混在する菌は、手だけじゃなくて足の裏や服にもついているので、それを放置するとお子さんはもちろん、ご家族も風邪などを引いてしまいます。帰宅後はすぐに手&足洗いと、お着替えを徹底してみてください!

【慣らし保育期間中の重要ポイント】お子さんがよく体調を崩すかも

 慣らし保育の間は、お子さんが疲れやすく、体調を崩しやすくなります。慣れない環境で生活しているから、食欲がなかったり、熱が出たりという連絡が保育園から来ることもあります。

 お出かけは控えて、すぐに対応できるようにしておきましょう。もし外出が避けられない場合は、事前に保育士さんにその旨を伝えておくと良いですよ。

 また、慣らし保育が終わった後も、1年ほどはお子さんが体調を崩しやすい時期が続きます。仕事のスケジュールも、「お子さんが体調不良になった時」を想定して柔軟に対応できるようにしておくと安心です。

【まとめ】

・慣らし保育の基本と日数
 -慣らし保育はお子さんと保護者の状況に応じて、2週間から1ヶ月程度を目安に進めます。
 -最初は短時間からスタートし、徐々に保育園で過ごす時間を延ばしていきます。

・登園時に泣いたら…
 -笑顔でしっかりバイバイすると◎。保護者の安心感が子どもにも伝わります。
 -「〇〇したらお迎えにくるね」とお子さんに伝え、保育園での過ごし方の見通しを与えましょう。
 -保育士さんと親しくなることも、お子さんの安心感につながります。

・帰宅後の過ごし方
 -お子さんの気持ちに寄り添い、ゆっくり休んで過ごしましょう。
 -慣らし期間中はお出かけを控え、早めに寝かせるようにするとよいでしょう。

・注意点
 -慣らし保育期間中はお子さんが体調を崩しやすいので、帰宅後は手足を洗い、着替えさせることが大切です。
 -お子さんの体調や感情に応じて、保護者が柔軟に対応できるようにしましょう。

 慣らし保育は、お子さんが保育園で楽しく過ごすための第一歩です。お子さん一人ひとりのペースに合わせて、安心できる保育園生活のスタートを切りましょう。

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