通る声を手に入れる! 保育士向け発声練習と腹式呼吸のコツ

スキルアップ
あくあ園長
あくあ園長

こんにちは! 保育士・元園長のあくあです!

 現役の保育士さんや、保育士を目指している学生さんのなかには、自分の声が通らないこと(声が小さいこと)を課題に感じている方もいるのではないでしょうか。

 その気持ち、わかります。声が通らないと、園児たちが(私の声が聞こえないからか)全くいうことを聞いてくれなかったり、かと思えば、声が大きい先生が言うと、園児みんなが一瞬で話を聞いてくれるようになったりして、大きく凹んだり…(私もそうでした…)。

 でも、声が通らないことは改善できます。今回は、発声の仕方などの声が通らない原因や、とっても重要な“腹式呼吸”、声を共鳴させて歌うといった練習法など、【通る声にするためのコツ】をご紹介します。

声が通らないと保育でどう不利になる?

 保育士として働く上で、声が通らないことはさまざまな不利を招く可能性があります。以下にその主な例を挙げてみましょう。

1. 子どもたちへの指示が伝わりにくい 保育の現場では、多くの子どもたちに一斉に指示を出す場面が頻繁にあります。声が通らないと、子どもたちが指示を聞き取れず、混乱を招くことがあります。特に危険が迫っている場合や緊急時には、迅速に指示を伝える必要があり、声が通らないことは大きなリスクとなります。

2. 子どもたちの集中力が続かない 保育活動や絵本の読み聞かせなど、子どもたちの注意を引き続けることが求められます。声が通らないと、子どもたちが話に集中できず、興味を失ってしまうことがあります。通る声で話すことで、子どもたちの集中力を維持し、活動を円滑に進めることができます。

3. 保護者とのコミュニケーションに支障が出る 保護者との連絡や相談の場面でも、声が通らないと大事な情報が伝わりにくくなります。保護者に安心感を与えるためには、明瞭で通る声が必要です。声が通ることで、保護者からの信頼を得やすくなります。

4. スタッフ間の連携が取りづらい 保育士同士のコミュニケーションも重要です。声が通らないと、スタッフ間での情報共有がスムーズに行えず、連携が取りづらくなります。チームワークを発揮するためにも、通る声で明確に伝えることが求められます。

声が通らない原因とは?

 保育実習や採用試験を控えている学生さんは、自分の声がちゃんと通るかどうか心配かもしれません。多くの子どもたちに呼びかけるときや、保育活動でお話をするときに、全員に声が届かないとスムーズな活動が難しくなりますよね。では、声が通らない原因にはどんなことがあるのでしょうか?

発声の仕方 声が通らない大きな原因の一つは、発声の仕方です。近くにいる人と話すときの発声と、多くの人に話しかけるときの発声には違いがあります。喉から大きな声を出そうとして喉が痛くなることはありませんか?この場合、腹式呼吸を取り入れると、息の圧力をコントロールでき、声が通りやすくなります。

姿勢 姿勢も声が通らない原因の一つです。体をリラックスさせた状態では大きな声を出すのは難しいですよね。背筋を伸ばし、足先やお腹に力を入れて立つと、声が出やすくなります。自分の声が通らないと感じたときは、まず姿勢を見直してみましょう。

口の開け方や滑舌 口の開け方や滑舌も、声が通らない原因になることがあります。腹式呼吸をマスターしても、口がしっかり開いていないと声が外に出にくいです。鏡を見て口がしっかり開いているか確認することが大切です。また、大きな声を出しても内容が伝わらない場合は、滑舌が原因かもしれません。

通る声の保育士になるための4つの練習法

 保育実習や採用試験に向けて、どのような練習をすれば声が通るようになるのかを紹介します。不安を抱える保育学生さんに、通る声になるための4つの練習方法をご提案します。

その1. 腹式呼吸の練習 まずは腹式呼吸の練習です。腹式呼吸は歌うときにも使われる発声法で、保育学生さんの中には経験のある方もいるかもしれません。横隔膜の下まで空気をため、圧力をかけて声を出すことで、力強く通る声が得られます。

  • 腹式呼吸の練習法
    • 息を吐くときに両手でお腹を押し、お腹から空気を出す感覚をつかむ。両手でお腹を強く押しながら息を出し切り、全部出した瞬間に両手の力を弱めると、空気がお腹まで入りやすくなります。
    • 仰向けに寝てお腹に手を当てて声を出す。床に仰向けに寝て声を出すと自然に腹式呼吸ができます。お腹に手を当てながら練習することで、空気の出入りを実感できます。
    • 足の指に力を入れて立つ。足を肩幅に開き、指に力を入れて立つことも大切です。足の親指で床を強く押すようにすると、お腹に力が入りやすくなります。

その2. 喉を開けて共鳴させる練習 次に、口の中で声を共鳴させる練習です。声が喉を通り、口腔内の壁に当たって振動することで、響きの良い声になります。特に上あごに強く当てて振動させると、よく響く声になります。自分にとって一番共鳴する喉と口の開け方を見つけるために、いろいろと試してみましょう。

その3. 滑舌をよくする練習 滑舌をよくする練習も重要です。「あえいうえおあお」のように、口をしっかり動かして発音する練習をします。母音の発音が滑舌を左右するため、母音を意識してか行やさ行などを練習するのが効果的です。短い文章を母音だけで読む練習も有効です。「こんにちは」を「おんいいあ」のように読むことで、自然に母音を意識できます。早口言葉も楽しい練習法です。

その4. 歌う練習 最後に、歌う練習です。保育実習では、子どもたちに歌を歌って聴かせたり、一緒に歌ったりすることが多いです。腹式呼吸や共鳴、滑舌などを取り入れて、通る声で歌う練習をしましょう。童謡やわらべ歌、手遊び歌などを多く練習しておくことも大切です。

通る声を保つためのコツ

 通る声を手に入れたら、その声を維持することが重要です。通る声を保つためのコツをまとめました。

喉のケアを心がける 喉のケアを常に心がけることが大切です。喉に力を入れて大きな声を出さないようにし、喉の乾燥を避けることが重要です。少しでも違和感を感じたら、会話を控えめにするなど、喉を休ませる工夫をしましょう。

正しい姿勢を意識する 子どもたちに話しかけるときは、正しい姿勢を保ちましょう。背筋を伸ばして立つことで、喉への負担が減り、声が通りやすくなります。天井から頭頂部に糸がついているイメージで体を伸ばし、声を出すときもその糸が引っ張られるように意識しましょう。正しい姿勢は、子どもたちのお手本にもなります。

声の大きさを考えて話す 保育実習や仕事を始めたばかりの頃は、大きな声を出しがちですが、はっきりした発音と共鳴ができていれば、大きな声でなくても声は通ります。時には小さな声で話すことで、子どもたちの注意を引くこともできます。

保育士の仕事に活かせるよう、通る声にする練習をしよう

 今回は、声が通らない原因や通る声にするための練習法について紹介しました。声が通らないことに不安を感じたら、腹式呼吸や共鳴、滑舌をよくする練習を取り入れてみましょう。

 毎日の練習を続けることで、保育士としての仕事に活かせる通る声を手に入れましょう! がんばってくださいね、応援しています!

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