保育士向け「保護者との個人面談」の目的・内容・準備・注意点・大事なこと

保育

 保育園の個人面談に対する準備や進め方について悩む保育士さんも多いでしょう。

 保護者との信頼関係を築くためには、事前に「話す内容」と「聞く内容」をまとめておくことが重要です。

 今回は、保育園の元園長であるあくあ園長が、個人面談の目的や進行方法、注意点について詳しく解説します。

個人面談の目的

 個人面談は、担任と保護者が1対1で直接話し合う貴重な機会です。一般的に年に1〜2回行われ、1週間から10日ほどの期間内で実施する園が多いです。各家庭に15〜20分の時間を設け、子どもの様子や保護者の要望を確認します。

 個人面談の主な目的は以下の通りです:

  • 保護者との信頼関係の構築:面談を通じて保護者との信頼関係を深めることができます。保護者が安心して子どもを預けられるようにするためにも、日常の保育の様子や保育方針についてしっかりと説明しましょう。
  • 子どもの情報共有:子どもの日常の様子や成長について情報を共有することで、保護者と協力して子どもの成長をサポートすることができます。家庭での様子や育児の工夫なども聞き、保育に活かしましょう。
  • 保護者の子育て観の理解:保護者がどのような考え方で子育てをしているのかを知ることは、保育士が子どもに対してより適切な対応をするために重要です。
  • 保護者の要望の確認:保護者の要望や悩みを聞くことで、保育園側が改善すべき点や対応すべき課題を把握しやすくなります。保護者の声を大切にし、保育の質を向上させましょう。

 面談を通じて子どもの普段の様子や保護者の子育て観を共有し、コミュニケーションを大切にすることが重要です。

個人面談で話す内容

 面談の際に話す内容や注意点を事前に確認しておくと良いでしょう。

話す内容の例:

  • 日々の保育活動への感謝:保護者が協力してくれていることに感謝の意を示し、感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を築きやすくなります。
  • 園生活全般について(排泄、食事、午睡など):子どもの日常の様子を具体的に伝えることで、保護者に安心感を与えます。特に食事や睡眠などの基本的な生活習慣については詳しく報告しましょう。
  • 子どもの興味や関心のある遊び:子どもがどのような遊びに興味を持っているのかを伝えることで、家庭でも同様の遊びを取り入れる参考になります。
  • 友だちとの関係:子どもの友人関係について話し、社会性の発達やコミュニケーション能力の向上について伝えると良いでしょう。
  • 成長を感じたエピソード:子どもの成長を感じる具体的なエピソードを紹介し、保護者に喜びを共有します。
  • 園の保育方針や行事について:保育方針や今後の行事予定について説明し、保護者の理解と協力を得ることが重要です。

 保護者がリラックスできるように、日々の協力に感謝を伝えながら、子どもの様子や園の活動内容を説明しましょう。

注意点:
 保護者は、子どもが友だちと仲良く過ごせているかなどの不安を抱えていることが多いです。子どもの良い面を中心に伝えるよう心がけましょう。また、子どもの様子を記録した写真や作品を用意しておくと、和やかな雰囲気で話を進めやすくなります。具体的なエピソードを交えて話すと、保護者もイメージしやすくなります。

個人面談で聞く内容

 面談で保護者に尋ねる質問内容や注意点についても確認しておきましょう。

質問内容の例:

  • 家庭での生活リズム(起床時間、睡眠、食事など):家庭での生活習慣を聞くことで、園での生活とのギャップを理解し、より適切な保育を提供するための参考にします。
  • 家庭で夢中になっている遊びや関心のあること:子どもが家庭でどのような遊びに興味を持っているのかを聞き、園での活動に反映させることができます。
  • 子育てについての悩みや困りごと:保護者が抱える子育ての悩みや困難を理解し、支援策を提案することで、保護者との信頼関係を深めます。
  • 園に対する質問、要望、心配事:園に対する要望や心配事を聞くことで、改善点を把握し、より良い保育環境を提供するための参考にします。

 普段の家庭での様子や子育ての悩み、園への要望を聞き、保護者とのコミュニケーションを深めましょう。

注意点:
 質問が連続しないように、園での様子を交えながらやり取りすると良いです。例えば、「園では〇〇を楽しんでいますが、家庭ではどんな遊びをしていますか?」と尋ねることで、自然な流れで会話を進めることができます。また、子育てに悩む保護者には気遣いの言葉を添えて話を聞くと良いでしょう。「お忙しそうですが、体調は大丈夫ですか?」などの一言で、保護者も話しやすくなります。

個人面談の準備

 面談に向けて事前に準備しておくべきポイントをまとめます。

スケジュールの確認:
 面談実施の1カ月前にお知らせを配布し、希望日程を聴取します。日程調整後、各家庭に実施日を通知し、当日の準備を行います。スケジュール管理を徹底し、保護者の事情による日程変更にも柔軟に対応できるようにしましょう。

子どもたちのエピソードをまとめる:
 保護者に子どもの園での様子を伝えるため、特性や性格が表れたエピソードをまとめましょう。大人数のクラスの場合はグループ分けして観察日を設定すると良いです。特に以下の内容を中心にメモを取ると良いでしょう:

  • チャレンジしていること
  • 夢中になっている遊び
  • 製作遊びやゲームなどに参加している姿
  • 友だちとのやり取り

 これらをまとめることで、具体的なエピソードをもとに話を進めることができます。

職員同士の情報共有:
 過去の面談の様子や注意点を職員同士で共有し、新人保育士にも対応方法を伝えることで、スムーズな進行を目指しましょう。特に新人保育士には先輩からのアドバイスを受けることが重要です。

お礼の品の対応確認:
 お礼の品を受け取らない方針の園もありますので、対応方法を確認しておくと安心です。保護者からのお礼の品をどう扱うか、事前に職員間で統一しておくことが重要です。

当日の注意点

挨拶はハキハキと:
 面談冒頭では元気よく挨拶し、保護者に安心感を与えましょう。例えば、「こんにちは。今日はお忙しい中、お越しいただいてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えます。最後には「何か心配なことがあればご相談ください」と気遣いの言葉を添えて挨拶します。

言葉遣いや名前の呼び方に気をつける:
 緊張して口癖が出ないように気をつけ、ですます調で話しましょう。また、保育中に使うニックネームではなく、正式な呼び方で子どもの名前を呼びましょう。「〇〇ちゃん/くん」と呼び、失礼のないように注意します。

ネガティブ表現に注意:
 子どもの様子を話す際はネガティブな表現を避け、良い面を強調して伝えましょう。例えば、交友関係の問題を話す際には、「〇〇くんと〇〇くんは自分の気持ちを言い合ってぶつかることもありますが、これは自分の気持ちを表現する大切な一歩です。今後も見守っていきます」と伝えると良いです。

まとめ

 保育園の個人面談は、保護者との信頼関係を深める重要な機会です。事前に面談の目的を確認し、「話すこと」と「聞くこと」を整理して準備しましょう。

 面談では丁寧な対応を心がけ、保護者が安心して子どもを預けられるように配慮します。面談後は職員同士で情報を共有し、保護者の要望に迅速に対応できる体制を整えましょう。

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